病気の看護・事故予防

マイママ保健室Q&A赤ちゃんのたくさんの「???」にお答えしています。

5つのサクランボ

病気の看護・事故予防

おう吐の時の看護

吐いちゃった!!
何をしてあげたらいいの?

嘔吐
赤ちゃんは胃・食道の一連の運動が不安定であることや、感染症にかかりやすいことなどから胃内容物が口から排出され安い状態にあります。
嘔吐のあるときは、授乳や食事との時間的な関係を見ることが大切です。
また、吐き方や、回数、量、咳との関係、を見てあげてください。
 
手当てのポイント
 
吐物の誤飲、窒息の予防のために、赤ちゃんの場合は授乳中でも排気はしっかりとしてあげましょう。
おう吐しているときはまず顔を横に向けてあげましょう。
鼻や口の中に吐物があるときはめん棒などで粘膜を傷つけないようにとる。
嘔吐の回数が多いときは経口摂取を一時的に中止しますが、長時間にわたるときは医師に指示に従ってください。
経口摂取を再開するときは、湯冷ましや番茶を少しずつはじめ、嘔吐を誘発しないことを確認して量や回数を工夫する。
不安を解消するため、おう吐しているときはできるだけ誰かがそばにいてあげましょう。
お母さんも吐物の匂いに誘発されてしまうことがあります。つらい時はマスク等をして対応するようにしてください。
 

受診のタイミング

*おう吐を繰り返す
*水分が摂れない
*機嫌が悪い、あるいはだんだんと時間がたつにつれて弱っているのが目に見えて分かる
*脱水がひどい
*発熱・下痢を伴っている
*吐物に血液が混じっている

など、いつもと違うおう吐が続く場合は早い目に受診をするようにしましょう。
原因は様々です。
 

受診のポイントは

*環境状態(外出場所・外出時間や込み具合など)
*嘔吐が始まった時間、回数、内容
*その日や1~2日前に食べた物は何だったか
 

注意事項 

吐物は二次感染を招く可能性もありますので速やかに処理をしましょう。
必ず1回ずつ、ナイロン袋に入れてきちんと口をくくります。
できればふたがついたバケツに入れます。
焼却処分できるように燃えるゴミとして出しましょう。
二次感染予防のために、その都度せっけんで丁寧に手洗いをするようにしましょう。
わが子の吐物は汚いと思わないことが多いようです。
これが二次感染の原因となることがありますので注意するようにしましょう。
食事の支度をするときはもう一度念のために石鹸できれいに洗ってから調理をするようにしてください。
 
小児科看護より一部抜粋しています。
※滋賀県医師会のパンフです。

熱が出た時の看護

熱が出たときってあわてますよね。
おうちで出来る看護について考えてみましょう。

症状の手当て

《発熱(37.5℃以上)》
赤ちゃんの場合体温調節中枢が未発達で抵抗力も弱いため発熱しやすい。
全身に及ぼす影響…けいれんや、脱水症状など重症化することがあるため注意を要する。熱の原因を考え、熱に伴う心身の苦痛を最小限にする。
出てくる症状…悪寒戦慄・顔面蒼白・顔面紅潮・活気がない・不機嫌・泣く・哺乳力の低下・食欲の低下・咽頭痛・鼻汁・発赤(赤いポツポツ)。
 

熱にともなう症状

*脱水の観察…体重の変動・唇や口の中の乾燥・皮膚の乾燥・尿量の減少・大泉門や眼窩のくぼみの有無
*けいれん…体温が急に上昇するときに多い。(熱性けいれんは、生後6ヶ月から4歳児くらいまでに多い)けいれんが起こった時の注意…長時間続く(15分以上)・局所的なけいれん…再発を繰り返す(24時間以内に2回以上のけいれん)・熱性けいれんの初発が6ヶ月以内
*嘔吐:吐物の形状・食事との関係・時間・回数
*発疹:発疹性疾患に発熱が見られる(突発性発疹・はしか)
*下痢:性状、回数
 

手当てのポイント

〈体温測定〉
電子体温計の普及に伴い測定しやすくなっていますが特徴や使用方法は正しく知っていることが大切です。
測定するときは、汗をしっかりふき取り、わきの下で測るのが正確なようです。
 
〈安楽〉
衣類をゆるめ、赤ちゃんや子どもにとって一番楽な姿勢にしてあげましょう。
 
〈解熱〉
お母さんができることは、先ず室温の調節。暑すぎないこと。
赤ちゃんの場合、38℃以下ならば、衣類や掛け物、水枕のみで様子をみます。解熱剤は、医師の指示に従って使用しましょう。
冷蔵庫に凍っていない保冷剤を冷やしておくと便利です。使い方は凍っていない柔らかい保冷剤をガーゼでくるみわきの下や、そけい部に当てるといいでしょう。
小さなお子さんの場合、氷は使用しません。保冷剤を冷蔵庫に4つ保管をしておくと便利ですね。
 
〈水分補給〉
脱水しやすいので、まめに水分補給をし、欲しがるだけ与えても構いませんが、嘔吐や下痢をしているときは、受診し、医師の指示に従うようにしてください。
 
〈栄養〉
消化のよいもので、状態に応じて離乳食を柔らかいものに戻す。
口から取れないときは、早めに受診をしましょう。
 
小児科看護より抜粋しています。
※滋賀県医師会のパンフです。
 

救急法について

中消防署の救急救命士さんに来ていただいて赤ちゃんの救急法のお話を聞きました。
《救急法》大津市中消防署より救急救命士さんに教えていただいた内容から抜粋しています。
 

1. 赤ちゃんの事故原因について

1位 不慮の事故 全体の7割
★喉詰めによる窒息死・誤飲:
*ボタン電池・お金
*タバコの吸殻 吸殻後の水(急性ニコチン中毒)化粧水・口紅
*漂白剤などの酸・アルカリは吐かしてはダメ!!→吐いた時に肺に入って肺炎になる可能性
*ガソリン・灯油⇒牛乳やたんぱく質となる卵白などを飲ます→救急車を呼ぶ場合はそこまでしなくてよい。

★風呂場(洗濯機・水洗便所)
*日本は湯船につかる習慣があるから多い事故→赤ちゃんは、鼻と口が詰まる3cmほどの水があればおぼれる。

※子どものケガは親の責任が大きいです。今一度防げる事故は防ぐためにも、風呂の水・チャイルドシート・台所・部屋の周りなどを赤ちゃんの目線で見直してみましょう。 
トイレットペーパーの芯の中を通るものは、誤飲のもとです。気をつけましょう。

2位 交通事故 1歳以上に多い。チャイルドシートに必ず乗せる事。
例)軽自動車で電柱に当たった事故。母親は、運転席でシートベルトをしていたので、救急車が着いた時は、車内にいてケガですんだが、後ろにチャイルドシートを積んでいたにも関わらず、子どもは助手席でシートベルトなしでいたためにフロントガラスを突き破って5m先の道路に即死で発見された。⇒もう一度チャイルドシートについて考えてみてほしい。

2. 救急車を呼ぶ前に…

★頭を打ったらすぐに救急車? →打った後の子どもの様子は?
「ちょっと、ボーっとしている感じ」「しばらくして吐いた」「しばらくしてもぐったりしている」があったら受診ですが、様子をしっかりみて判断してください。

★高熱?すぐに救急病院? →待っている時間の方が長いと子どもが疲れませんか?
とりあえず座薬があれば、いいのであれば小児科でなくても内科の夜間救急でも対応できます。そして、後日しっかり小児科診察でもいいかな?と判断するのもひとつです。

★熱性けいれん →けいれんしていた時間をしっかり把握。
子どもの体重を知っておく。(薬の調整に必要です)

*瞳孔がひらく
*けいれんを起こす
*ボーっとしてる
*そのまま寝てしまう
*吐く

※周囲に危ないものはないか確認。布団やベットから落ちないようにみておく。
※初めての熱性けいれんの場合は受診を勧めます。
※救急病院での処置:けいれん止め座薬、熱があれば熱を下げる座薬+後日脳波をとる。

3. 救急車を呼ぶ・一刻をあらそう危険

i. 心肺停止:3分で50%死亡 6分で100%死亡
ii. 呼吸停止(窒息):6分で50%死亡 12分で100%死亡
iii. 大出血

※救急車が到着するのは…呼んでから平均(大津市)6分24秒かかる。
i~iiiの命を守るのは、その場にいる親となる。

4. 心肺蘇生法

(1) 意識の確認:叩く・声をかける
赤ちゃんは意識がないと、舌が喉の方に巻き込んで窒息死する危険があるので、横むきする。

(2) 気道確保:あごをあけて息の通り道をつくる。
呼吸(息)の有無を確認するために、ほっぺたを近づける。
※物が詰まっているとき、逆に押し込んでしまう危険があるため無理にほじりかえさない。

(3) 人口呼吸:赤ちゃんは肋骨の間の硬い部分に三本指をあてる。
赤ちゃんには、鼻と口両方から息をいれる。2回大きく吹き込む。

i. 咳き込み・呼吸の確認
ii. 体の動きを目と耳で確認 

赤ちゃんは肋骨の間の硬い部分に三本指を3回押す。体の厚みの3分の1は押すつもりで。
※赤ちゃん・子どもは心肺蘇生法で、すっきり戻るケースも多い。